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野生動物の食物酵素胃

牛や羊などの反芻をする動物の唾液中には、人間と異なり、酵素が含まれていません。

膵臓から分泌される膵液の中に、消化酵素が大量に含まれていると考える人がいますが、牛や羊の膵臓は、人間と比べて体重に対する比率は、小さいことがわかっています。

これは、これらの動物が、人間より少ない(体重比)膵液の消化酵素で生きていることを示しています。

牛や羊には四つの胃があり、そのうち酵素が分泌されるのは、最も小さい一つの胃だけです。

他の三つを「食物酵素胃」とハウエル博士は呼んでいます。

この、「食物酵素胃」では、前記したように消化酵素は分泌されませんが、食べた食物自体に含まれる酵素が、その食物を消化・分解するのです。

さらに、この「食物酵素胃」には、沢山の原生動物が生きており、食べた食物を消化しています。

そして、消化が進みむつれ、これらの原生動物は四番目の胃に送られて消化され、宿主の反芻動物のタンパク源となります。

哺乳類である、クジラやイルカにも、「食物酵素胃」があり、消化酵素や酸の分泌がまったくありません。

食物自体が持っている酵素で、消化・分解されるということです。

種子類を餌とする、ハトやニワトリで「食物酵素胃」に相当するのは「餌袋」です。

餌袋に納まった種子類は、温度と水分で酵素抑制物質が中和され、種子類に含まれる酵素により、消化・分解が始まります。

では、私たち人間にも「食物酵素胃」があるのでしょうか?

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